「尾木ママ」の愛称で親しまれる教育評論家の尾木直樹氏は、思春期特有の反抗期について「子供が自律に向かうための健全な陣痛」と表現する。親の介入を嫌がりながらも、完全に放っておかれると不安に陥るダブルバインド(二重拘束)の感情。この矛盾こそが、少女たちが抱える苦悩の本質だ。
日本における心理療法のパイオニアである臨床心理学者の河合隼雄氏も、著書の中で「親は子供の影を引き受ける覚悟が必要だ」と指摘した。突き放しすぎても、抱え込みすぎても歪みが生じる。親が目指すべきは、嵐が過ぎ去るのを待つ港のような静かな存在感なのだろう。