出版不況が叫ばれて久しいなか、文化出版局が刊行するこの媒体が放つ存在感はなぜこれほどまでに揺るぎないのか。それは、単なるトレンドの消費を拒み、常に表現の本質を掘り下げる「カルチャー誌」としての矜持があるからに他ならない。
手触りのある紙というメディアだからこそ表現できる色彩の階調、大胆なタイポグラフィ、そして長文インタビューに耐えうる緻密な構成力。デジタルのタイムラインで情報が瞬時に流れていく現在だからこそ、手元に置き、何度もページを開き直したくなる一冊を編み上げる。その愚直なまでのクラフトマンシップが、世代を超えて熱狂的な読者層を惹きつける最大の理由なのだ。