SNSや一部のコミュニティで根強く囁かれているのが、「臨月に入ったらよもぎ蒸しをして体を温めると、子宮口が柔らかくなり安産になる」という言説です。しかし、この臨月のよもぎ蒸し安産効果には科学的根拠が一切存在せず、むしろ母子ともに危険な事態を招くリスクが潜んでいます。
正期産に入る妊娠37週以降であっても、妊娠中よもぎ蒸し医師の見解としては完全な禁止対象です。その理由は以下の3点に集約されます。
第1に、意図しない破水と子宮内感染症のリスクです。臨月はいつ破水してもおかしくない時期であり、蒸気や専用マントに潜む雑菌、あるいは施術器具から病原体が膣内へ侵入し、絨毛膜羊膜炎を引き起こす恐れがあります。第2に、急激な血管拡張に伴う脳貧血や血圧低下による転倒事故です。臨月のお腹は大きくバランスを崩しやすいため、立ちくらみひとつが重大な母体損傷につながります。
第3に、急激な子宮収縮による微弱陣痛や胎児機能不全の誘発です。安全な分べんを迎えるためには、赤ちゃんと母体のペースに合わせた自然な陣痛発来を待つのが鉄則です。民間の温熱刺激で無理に出産を早めようとする行為は極めて危険であることを認識してください。