ギザ歯という意匠がサブカルチャー界の主流へと駆け上がった背景には、VTuberをはじめとするバーチャル配信文化の爆発的な発展がありました。特に英語圏を含めたグローバル市場において、ギザ歯のキャラクターが叩き出した数字は歴史的です。
その筆頭が、ホロライブEnglishに所属し、YouTube登録者数400万人超を記録した「がうる・ぐら(Gawr Gura)」の存在です。サメをモチーフとした幼い外見に、特徴的なギザ歯を配したアバターデザインは、世界中のリスナーを一瞬で虜にしました。彼女の成功以降、ギザ歯Vtuber人気一覧を眺めても、国内・海外問わず多くのプロダクションや個人クリエイターがこぞってギザ歯の造形を看板タレントへ採用する動きが加速しました。
配信現場における生の声やSNSの反響を追跡すると、ギザ歯がVTuberカルチャーと抜群の相性を示す理由が浮き彫りになります。トラッキング技術によって本人の喜怒哀楽がダイレクトにアバターへ反映される現代の3D・Live2Dモデルにおいて、口の開閉は最も視認されやすい部位です。配信者が甲高い声で笑ったり、視聴者を小馬鹿にするようなプロレス芸を繰り広げたりする際、ギザ歯のテクスチャがチラつくことで、台詞の「生意気さ」や「コミカルさ」が視覚的に補強されます。
ネット上の掲示板やSNSでは、「普段は毒舌なのに、ギザ歯を剥き出しにして大爆笑している姿を見ると愛おしさが限界突破する」「普通の歯並びだったら単なる煽りに聞こえるセリフも、ギザ歯キャラが言うと絶妙なマスコット感で許せてしまう」といったリアルなリアクションが溢れています。視覚記号がキャラクターのトークスタイルを肯定的にブーストさせる触媒として、ギザ歯は見事な機能美を果たしているのです。