生き方の多様化は、住環境の選択肢にも大きな変化をもたらしている。かつて主流だった「シニア向け分譲マンション」や「高齢者施設」への一律の入居ではなく、若者や子育て世帯と空間を共有する「多世代共生型コミュニティ」が全国で増えている。
神奈川県内のシェアハウスで暮らす75歳の女性は、共用キッチンで若い住人に手料理を振る舞う傍ら、動画編集のやり方を教えてもらうといったギブ・アンド・テイクの関係を楽しんでいる。「孤立することが一番のリスキーです。ここには異なる世代の視点があり、毎日が新しい発見に満ちています」と彼女は笑顔を見せる。
孤立死や孤独感といった社会課題に対して、行政依存ではなくコミュニティの自律的なエコシステムで解決しようとする試みが、全国各地で芽吹いているのだ。