千波静さんの名前を語る上で欠かせないのが、宝塚歌劇団の歴史に深く刻まれた「千波三姉妹」の存在です。実姉である千波淳さん(42期生)、妹の千波薫さん(48期生)とともに、三姉妹揃って宝塚音楽学校を優秀な成績で卒業し、歌劇団の舞台に立ちました。
千波静さんは宝塚歌劇団44期生として入団。当時の芸名は千波静、愛称は本名に由来する「シゲル」として親しまれました。雪組を中心に配属され、透明感あふれる美貌としなやかな身のこなし、そして繊細な表現力を持つ娘役として瞬く間に頭角を現します。残されている当時の舞台写真やポートレート画像を見ても、現代のトップ娘役と比べても決して見劣りしない洗練された目元と、圧倒的な華やかさを確認できます。
三姉妹それぞれが独自の個性を発揮し、当時の宝塚ファンを大いに沸かせましたが、千波静さんは若くして名門・松岡家への嫁入りのため歌劇団を退団。短い現役生活でありながら、その強い印象はオールドファンの記憶に今も鮮明に残っています。