受傷直後に行うべきファーストエイドの概念は、近年大きくアップデートされている。かつては安静・冷却・圧迫・挙上を基本とする「RICE処置」が絶対的な標準とされてきた。しかし日本スポーツ医学会をはじめとする国内外の最新スポーツ科学では、過度な固定や長期の完全安静が組織の回復を遅らせることが明らかになりつつある。
そこで推奨されているのが「POLICE処置」だ。これは保護(Protect)、最適な負荷(Optimal Loading)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の頭文字をとったもの。骨折が否定された段階で、痛みの出ない範囲で適切な負荷を早期にかけることが、靭帯組織の再構築と血流回復を早めると実証されている。
ただし、骨折の疑いが残る初期段階では、無理な荷重は厳禁だ。まずは厚手のタオルや段ボールなどで足首を直角に固定し、氷嚢で冷やしながら心臓より高い位置に保つ。自己判断で患部を強くマッサージしたり、温湿布を貼って温めたりする行為は、炎症と内出血を急激に悪化させるため絶対に避けてほしい。