二人の出会いは、琴欧洲が十両から幕内へと駆け上がっていた2004年の大相撲名古屋場所中に遡ります。知人を介した食事会の席で同席したことがきっかけでした。当時、まだ日本語もおぼつかず、日本の生活習慣に戸惑っていた琴欧洲に対し、麻子さんは偏見なく一人の青年として温かく接したと伝えられています。
そこから始まった交際期間は約5年。東京と愛知という距離に加え、関取としての厳しい稽古や本場所の日程が重なり、頻繁に会うことは叶いませんでした。しかし、二人は手紙や電話、短い合間を縫った逢瀬を通じて着実に信頼関係を深めていきました。
結婚の決定的な理由となったのは、大関昇進後に琴欧洲を襲った度重なる怪我とスランプの時期でした。右膝の負傷などで思うような相撲が取れず、精神的に追い詰められていた琴欧洲に対し、麻子さんは栄養バランスを考えた食事作りや精神的な励ましを送り続けました。当時のインタビューで琴欧洲は、「彼女は自分が勝った時だけでなく、負けて苦しい時にこそ一番の味方でいてくれた」と述懐しています。2008年5月場所での歴史的な幕内最高優勝を経て、2009年5月に正式婚約、2010年2月に晴れて結婚披露宴が執り行われました。