辺見和雄という極めて複雑でエキセントリックなキャラクターは、メディアミックス展開においても屈指の名キャスティングによって命が吹き込まれました。
アニメ版で声を担当したのは、実力派声優の関俊彦さんです。普段の気弱で穏やかなトーンから、殺意と性的興奮が頂点に達した際の狂気じみた高音ボイスへの切り替えは圧巻で、原作の持つグロテスクさとコミカルさの絶妙なバランスを見事に表現しました。
一方、実写ドラマシリーズ『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』で辺見役を演じたのが名優・萩原聖人さんです。実力派俳優が見せる狂気の笑顔、ぬめり気のある視線、そして鰊番屋での鬼気迫るアクションは「原作からそのまま抜け出してきたかのよう」と放送当時から絶賛を浴びました。狂気の中に潜む哀愁と純粋さを生身の肉体で体現した名演は、実写版の評価を決定づける大きな要因となっています。