音楽の授業や楽典の入門書で楽典の拍子記号の意味を学ぶ際、分母は「基準となる音符の種類」、分子は「1小節に入るその音符の数」と教わります。そのため「八分音符が6個入る=6拍子」と機械的に解釈してしまいがちですが、ここに最大の落とし穴があります。
人間の耳と身体感覚は、テンポが上がるにつれて細かい拍を自然とグループ化します。八分の六拍子では八分音符が3つずつ束ねられ、付点四分音符(八分音符3個分)を基準の1拍とする「2拍子」として機能します。このように、1拍の中に3連符的な要素を内包する構造を音楽理論では「複合2拍子」と呼びます。
つまり、演奏時に意識すべき大きな骨格は「イチ、ニッ」という2つのステップです。細かく「1・2・3・4・5・6」と均等に打鍵・発音してしまうと、舞曲や行進曲特有の軽やかな推進力が完全に失われてしまいます。