時計の針を戻そう。2018年春、永田町とメディア界に激震が走った。発端は『週刊文春』によるスクープ報道である。現職の新潟県知事であった米山隆一氏が、女性向け出会い系サービスである「ハッピーメール」を通じて複数の女性と交際し、金銭のやり取りを伴う関係を持っていたと報じられたのだ。革新系の旗手として原発再稼働問題などで毅然とした態度を見せ、県民からの支持も厚かっただけに、その落差は余りにも大きかった。
報道の直後、記者会見に臨んだ同氏の姿は痛々しくも印象的であった。涙を浮かべながら自身の不徳を認め、辞職を表明する展開は早かった。世間が受けたショックは大きく、知事としての政策手腕を評価していた層からも落胆の声が相次いだ。いわゆる「新潟県知事辞任劇」は、地方自治の現場におけるトップの私的行為が、どれほど一瞬にして政治生命を脅かすかを示す象徴的な事件として刻まれたのである。