伝統的な日本庭園だけでなく、自然の生態系を再現するビオトープが庭づくりの選択肢として定着した。しかし、公益社団法人日本造園学会の研究者らは、閉鎖的な小規模水域を美しく維持することの過酷さを指摘する。循環ろ過装置のフィルター清掃、夏場に爆発的に繁殖するアオコへの対処、水底に堆積するヘドロの除去など、重労働の連続に挫折する所有者は後を絶たない。
近年の猛暑傾向は、この管理リスクに拍車をかけている。水温の上昇によってボウフラが湧き、大量の蚊が発生して近隣トラブルへと発展する事例も目立つ。小さな子どもやペットの転落事故という安全面のリスクも看過できない。手入れを怠ったビオトープは、癒やしのオアシスどころか、悪臭と害虫をまき散らす荒廃した水たまりへと成り果ててしまう。