結論から述べると、2026年現在、飛田新地は通常通り営業を行っています。メインストリートである「青春通り」「メイン通り」から「大門通り」「妖怪通り」に至るまで、提灯の明かりが灯り、夕暮れ時から深夜にかけて多くの来訪者が行き交う光景は維持されています。
飛田新地の店舗は、法的には風俗営業ではなく、食品衛生法に基づく飲食店(料亭)として営業許可を得ています。「料亭内で客と仲居(従業員)の間で自由恋愛が行われている」という法的な建前のもとで運営されており、この構造は昭和33年(1958年)の売春防止法施行以来、現在まで基本的に変わっていません。
しかし、何のお咎めもなく放置されているわけではありません。所轄警察署および行政と地域住民の間には極めて繊細なバランスが存在し、それを支えているのが飛田料理組合による極めて厳格な自主規制ルールの徹底です。
飛田料理組合は、外部からの批判や警察による摘発リスクを回避するため、以下のような運営ルールを組合員に義務付けています。
- 厳格な営業時間ルール:営業開始は正午(12:00)、完全閉店は原則として24:00厳守。深夜営業の禁止。
- 路上撮影の絶対禁止:エリア内でのスマートフォン・カメラによる写真撮影、動画撮影、ライブ配信は固く禁止されており、見張りのスタッフによる厳重な注意体制が敷かれています。
- 客引き行為の制限:店舗の上がり框(かまち)に座る「おばちゃん(呼び込み)」の呼びかけは敷地内からのみとし、路上に出て通行人の腕を掴むような悪質な客引きは禁止。
- 反社会的勢力の完全排除:暴力団関係者の関与や不当なみかじめ料の授受に対する警察との連携強化。
過去には、組合のルールを逸脱して未成年者を雇用したり、暴力団への資金源となっていた悪質な一部店舗が売春防止法違反容疑などで個別摘発された事例は存在します。しかし、それらはあくまで「ルール破りに対する個別排除」であり、街全体を対象とした一斉摘発や行政処分による壊滅ではないというのが客観的な事実です。