小泉氏独特の発信スタイル、いわゆる「小泉節」と呼ばれるフレーズワークの根底には、アメリカの大学で叩き込まれたプレゼンテーション技法が存在する。論理の明快さ、短くインパクトのある単語の選定、そして観客との視線交わし。これらはすべて、コロンビア大学院のゼミや討論の場で日常的に求められたスキルそのものだ。
日本の従来の政治家スピーチが官僚の作成した原稿を棒読みするスタイルになりがちだったのに対し、彼は聴衆の感情を揺さぶるロジックとパッションを前面に押し出す。このアメリカ的なパブリックスピーキングのスタイルは、彼の最大の強みであると同時に、時に「中身が薄い」との反発を呼ぶ両刃の剣ともなったが、メディアを引きつける力において政界随一であることは誰もが認める点だ。