フィギュア男子歴代最高得点の軌跡!羽生・チェン・マリニン異次元の壁

フィギュア男子歴代最高得点の軌跡!羽生・チェン・マリニン異次元の壁

フィギュア男子歴代最高得点の軌跡!羽生・チェン・マリニン異次元の壁の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

なぜフィギュアスケートの採点規則はこれほど頻繁に改定され、その都度スコアの価値基準が変わるのでしょうか。そこには、選手の安全確保と競技の持続可能性を巡るISUの苦悩が存在します。

ISUが2018年平昌五輪後に断行した大規模改正の主たる理由は、「過密なジャンプ構成による選手の怪我リスク軽減」と「GOE評価の幅を広げることによる表現力・質の重視」でした。具体的には以下の変更が加えられました。

  • フリー演技時間の短縮:男子フリーの演技時間を4分30秒から4分00秒へ短縮。
  • ジャンプ要素数の削減:フリーのジャンプ要素を従来の8本から7本へ削減。
  • GOE評価レンジの拡大:-3〜+3(7段階)から-5〜+5(11段階)へ変更。
  • 後半ボーナスの制限:基礎点が1.1倍となる後半ジャンプを、SPは最後の1本、フリーは最後の3本までに厳格制限。

この改正により、ジャンプの本数が減ったため当初は得点が下がる傾向(デフレ)が予想されていました。しかし、トップ選手たちはすぐ入念な対策を講じました。GOEの拡大(基礎点の最大50%が加点される仕組み)を逆手に取り、質の高い高難度ジャンプを揃えることで、旧ルールの8本構成を上回る技術点を稼ぎ出す選手が現れたのです。

さらに、4回転アクセル加点と歴代最高得点への影響も見逃せません。現在4回転アクセルの基礎点は12.50点に設定されており、最大GOE(+6.25点)が加われば1本のジャンプで最大18.75点を獲得可能です。かつて羽生結弦が未踏のフロンティアとして挑み、マリニンが実用化したこの大技は、採点表の力学を根本から変質させました。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。