どれほど緻密にオートメーションを組んでも、物理的な配置で失敗すればタグはうんともすんとも言わない。最大の天敵は「金属」だ。パソコンのアルミボディやスチール製デスク、冷蔵庫の側面に一般的なタグを直貼りすると、金属が電磁波を吸収・乱反射し、通信が完全に遮断される。金属面に設置する場合は、必ず背面に磁性シールド層を備えた「対金属(アンチメタル)仕様」のタグを選ばなければならない。
また、国際標準化団体であるNFC Forumが定める仕様にも目を通しておきたい。市販されているタグには「Type 2」準拠のNTAG213、NTAG215、NTAG216といったチップが使われており、それぞれ書き込めるデータ容量が異なる。Wi-Fiの認証情報や長大なURLをタグ自体に書き込むなら、メモリ容量の大きいNTAG215以上を選ぶのが鉄則だ。単に端末内のショートカットを呼び出すトリガーとして使うだけなら、安価な小容量タイプで事足りる。
水回りに貼るなら防水加工が施されたPVC素材、目立たせたくない場所には家具の裏に忍ばせられる極薄フィルムなど、適材適所のマテリアル選びが長期運用の鍵を握る。