外見の変化や手足の違和感は、治療中の精神的ストレスに直結しやすい症状です。これらに対しても、科学的根拠に基づいた新たな対策が定着しつつあります。
■ 頭皮冷却療法による脱毛抑制
抗がん剤による脱毛は毛根の細胞へのダメージによって起こりますが、点滴中およびその前後に頭皮を専用の装置で冷却する「頭皮冷却療法」が多くの医療機関で導入されています。頭皮の血管を収縮させて毛根に届く薬剤の量を減らし、脱毛の程度を軽減したり、治療終了後の毛髪の回復を早めたりする効果が報告されています。
■ 末梢神経障害(手足のしびれ)の緩和
タキサン系やプラチナ系の薬剤で頻見される手足のしびれに対しては、投与時に手足をアイスグローブなどで局所冷却する試みや、神経障害性疼痛治療薬の処方が行われます。ボタンかけや歩行がつまずきやすくなるため、転倒防止の室内環境づくりや、ゆったりとした靴下を着用するなどの工夫が推奨されます。