現地を訪れると、乗り換え時の動線設計が混雑に拍車をかけている現場がはっきりと確認できます。箱根登山鉄道の強羅駅終点ホームから箱根登山ケーブルカーの乗り場へは、地下通路や段差を経由する構造となっており、歩行速度が自然と低下します。特に大型スーツケースを携えた訪日外国人旅行者や家族連れが集中すると、ホーム階段付近で人の滞留が一気に深刻化します。
さらに見逃せないのが、終点の早雲山駅における箱根ロープウェイ接続の構造です。2020年にリニューアルオープンした早雲山駅舎「cu-mo箱根(クーモハコネ)」は、足湯や展望デッキを備えた洗練された複合施設として人気を博しています。しかし、ケーブルカーを降りた数百人が一斉に2階のロープウェイ改札口へ殺到する設計であるため、エスカレーターやエレベーター周辺で再び待ち行列が形成されます。
小田急箱根運行状況のモニタリング調査によると、強風や点検によってロープウェイが一時見合わせになった瞬間、早雲山駅構内には行き場を失った乗客が溢れ返り、ケーブルカーの折り返し乗車すら制限される事態が年に数回発生しています。接続のスムーズさだけに頼った移動計画は、天候急変リスクに対して極めて脆弱である事実を認識しなければなりません。