SNS上では「市長が交代すれば外国人居住者を全員強制退去させられる」「自治体が独自の入国制限を設けるべきだ」といった極論が散見されます。しかし、こうした言説は地方自治法の枠組みと出入国管理行政の権限関係を著しく誤解しています。
出入国管理、難民認定、仮放免の判断、強制送還の執行は、すべて国(法務省・出入国在留管理庁)の専管事項です。基礎自治体である川口市に、特定の外国人を強制的に退去させる法的権限は一切ありません。市長にできる権限行使の実効策は以下の領域に限られます。
- 条例による規制強化:都市計画法や建築基準法と連動した「資材置場設置適正化条例」や「環境美化条例」の厳格な運用と過料徴収。
- 警察・入管との協定締結:地元警察署や出入国在留管理局との合同パトロールや情報共有の定例化。
- 国政への強力な提言:指定都市市長会や中核市市長会等を通じた、仮放免制度の厳格化や法改正の粘り強い要請。
感情的なスローガンを叫ぶだけの候補者ではなく、自治体権限の限界と可能性を正確に把握した上で、実効性ある政策パッケージを提示できているかを冷静に見極める必要があります。