なぜ保育園で今も大人気?『しろくまのジェンカ』意外なルーツと振付を徹底解説

なぜ保育園で今も大人気?『しろくまのジェンカ』意外なルーツと振付を徹底解説

なぜ保育園で今も大人気?『しろくまのジェンカ』意外なルーツと振付を徹底解説についての真相を徹底解説します。

愛らしい白くまの親子が氷の上を行進する情景が定着している本曲ですが、その音楽的ルーツは遠く北欧のフィンランドにあります。原曲は、作曲家ラウノ・レティネン(Rauno Lehtinen)が1963年に発表した『レッカ・ジェンカ(Letkajenkka)』、通称「レトキスカ(Letkiss)」です。

「ジェンカ(Jenkka)」とは、元来フィンランドで19世紀後半から親しまれてきた伝統的なポルカ系民族舞踊を指します。レティネンはこの伝統音楽に当時流行していたジャズやツイストの躍動感を融合させ、誰もが列をなして踊れるパーティースタイルとして再定義しました。これがヨーロッパ中で熱狂的なブームを巻き起こし、1965年には坂本九が日本語カバー曲『レッツ・キス(ジェンカ)』をリリースしてオリコンチャートを席巻するなど、日本国内でも社会現象となりました。

この大人の社交場を席巻していたダンスナンバーに、子どもの視線から新たな息吹を吹き込んだのが、昭和を代表する詩人・劇作家の阪田寛夫です。『サッちゃん』や『おなかのへるうた』で知られる阪田は、大人向けの歌詞であった「レッツ・キス」の官能性を完全に削ぎ落とし、北極の厳しい自然の中で仲良く跳ね回る「しろくまの家族」というファンタジックな寓話へと昇華させました。流行歌の賞味期限が切れた後も、優れた児童文学としての強度を持っていたからこそ、本作は普遍的な童謡として定着したのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。