「一切の妥協はない」。高市氏に近い無派閥議員は、緊迫した面持ちでそう語った。彼女の参拝行動の裏には、自らのアイデンティティを誇示し、保守本流の継承者であることを党内外に決定づける明確な狙いがある。だが、その余波を直接受ける外務省の危機感は桁違いだ。ある外交当局者は匿名を条件に、「公式参拝が行われれば、水面下で進めていたハイレベル経済対話の即時凍結は避けられない」と吐露した。
北京とソウルからの反発は、これまで以上に組織的かつ戦略的だ。中国外交部はすでに警戒水準を引き上げ、事実上の報復措置として特定品目の通関遅延や閣僚級交流の延期をカードとしてちらつかせている。一方、関係改善の軌道にある韓国側も、国内世論の反発を抑えきれなくなる懸念から日本側に強い懸念を伝達した。独自の取材網が捉えたのは、表向きの抗議声明の裏で展開される、神経戦とも呼ぶべき激しい外交圧力の実態である。