多くのリスナーが検索する「ああこのまま僕たちの声が 続き」のフレーズ。その核心となるサビの展開は、言葉の一つひとつが研ぎ澄まされた詩情に満ちています。
冒頭の歌詞は次のように展開していきます。
「ああ このまま僕たちの声が 世界の端っこまで消えることなく 届いたっていいのにな」
ここから楽曲は一転、重厚なクワイア(合唱)と疾走感あふれるビートが雪崩れ込み、「重力の手を離れて」「定められた運命の枠組みを飛び出す」という圧倒的なエネルギーへと移行します。グランドエスケープ 歌詞の特筆すべき点は、「世界の正しさ」よりも「たった一人のかけがえのない存在」を選び取る少年の無謀なまでの純粋性を、客観的かつ祈るような視点で描き出していることです。
RADWIMPS 歌詞一覧の中でも、本作は野田洋次郎特有の哲学的レトリックと、合唱曲のような普遍性が奇跡的なバランスで同居した金字塔と言えます。映画内で使用されたバージョンだけでなく、後からリリースされたグランドエスケープ フル(『天気の子 complete version』収録)では、野田洋次郎自身の力強いボーカルパートも大幅に追加され、物語の多面的な解釈を提示しています。