この問題は和光堂一社に限った話ではない。ピジョンやキユーピーなど、競合他社も過去に同様の異物混入や自主回収の苦い経験を持っている。ベビーフード業界全体が抱える最大のジレンマは、「低価格での大量生産」と「極限の安全性」の両立だ。
離乳食は手間がかかる育児の救世主であり、1パックあたり100円〜200円前後という手頃な価格帯が維持されている。しかし、検査工程を増やし、手作業による検品を徹底すれば、コストは跳ね上がり、販売価格に転嫁せざるを得なくなる。利便性と安全性のバランスをどう取るか、業界全体が大きな岐路に立たされている。