白砂糖の主成分であるスクロースは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した二糖類だ。この二つの分子が体内でたどる運命は全く異なる。全身の細胞でエネルギーとして利用されるブドウ糖に対し、果糖はほぼ全量が肝臓で直接代謝される。この代謝経路こそが、現代人を苦しめる生活習慣病の引き金を引く。
肝臓に一度に大量の果糖が流れ込むと、ミトコンドリアの処理能力はたちまち飽和する。溢れ出た果糖は中性脂肪へと急速に変換され、非アルコール性脂肪肝を形成。これがインスリン抵抗性を引き起こす決定打となる。細胞がインスリンのシグナルを拒絶し始めると、血中の糖は行き場を失い、やがて2型糖尿病の確定診断へと至る。加工食品に潜む不可視のスクロースが、自覚症状のないまま人々の代謝機能をじわじわと破壊している。