空間設計の変化は、寝室の風景も塗り替えた。家具インテリア大手の最新データによると、2026年上期のベッドフレーム・マットレス売上において、全長200 cmを超えるロングサイズ商品のシェアが前年同期比で40%以上急増しているという。
背景にあるのは、単なる体格の変化だけではない。「睡眠テック」の浸透により、就寝中の体の自由度や血流のスムーズさが健康に与える影響が科学的に実証されたことが大きい。従来の195 cm前後の標準ベッドでは、枕の位置を少し下げたり、足先を伸ばしたりした際にフレームに接触しやすく、無意識のうちに浅い睡眠を引き起こしていた。
「爪先がベッドの端に触れるだけで、脳は軽度のストレス反応を示します」。睡眠医学の専門家である高橋昌嗣教授は指摘する。足元に余裕を持たせた2メートルのマットレスは、寝返りの可動域を広げ、深い睡眠の時間を有意に延ばすことが各種臨床データで示されている。一日の三分の一を過ごす場所への投資として、この長さを選ぶ消費者が世代を問わず増え続けている。