両店舗を語るうえで絶対に外せない軸が、累計100種類を超えるレシピ群から日替わりで提供されるケシパールのチーズケーキメニューです。看板商品である濃厚なベイクド「ザ・チーズケーキ」を筆頭に、レア、スフレ、レアとベイクドの二層仕立て、さらには季節の柑橘やハーブ、スパイスを取り入れた限定品など、常に4〜5種類がショーケースを彩ります。
この店舗の真骨頂は、単にスイーツとして消費させるのではなく、チーズケーキと珈琲のマリアージュという体験価値へと昇華させている点にあります。メニュー表にはケーキごとに相性を綿密に計算した自家焙煎珈琲の銘柄が指定されており、来店客の約8割以上がこの「ペアリングセット」を指名注文します。
現場を訪れた際の観察記録からも、その精密な仕事ぶりが伝わります。たとえば、コクの深いチーズケーキには中深煎りのマンデリンが持つアーシーな苦味をぶつけ、酸味の際立つレアチーズには浅煎りエチオピアのフルーティーな華やかさを同調させる。舌の上でチーズの乳脂肪分が珈琲の熱と酸によって溶け崩れ、第三の芳醇な風味が立ち上がる瞬間は、まさに味覚の実験室と呼ぶにふさわしい体験です。