英語圏で「ヤンキー(Yankee)」といえば、本来はアメリカ合衆国北部、特にニューイングランド地方の住民を指す愛称、あるいは外国人から見た「典型的なアメリカ人」を指す俗称です。野球界屈指の名門ニューヨーク・ヤンキースでもおなじみの単語が、なぜ日本において「不良少年・少女」を意味する符牒へすり替わったのでしょうか。 有力な歴史的事実として定着しているのが「大阪アメリカ村発祥説」です。 1970年代半ば、大阪・ミナミの西心斎橋界隈(現在のアメリカ村)には、古着やハワイアン雑貨、サーフボードなどを直輸入して販売する先進的な店舗が集まり始めました。このエリアに吸い寄せられたのが、アロハシャツや派手な太いズボンを身にまとい、独特のだらしない歩き方でたむろしていた当時の若者たちです。 難波やミナミの商店主やミドル世代の住民たちは、彼らのアメリカかぶれの奇抜な身なりを見て「なんや、ヤンキーが歩いとるわ」「ヤンキーがまたたむろしとる」と皮肉混じりに呼び始めました。当時の取材テープやタウン誌の記録を紐解くと、この時点での呼び名は「不良」というよりも「奇妙なアメリカ風ファッションに身を包んだ目障りな若者たち」に対する揶揄でした。 転機となったのは、1970年代末から1980年代初頭にかけてのサブカルチャーの伝播です。関西ローカルの俗称だった言葉が、当時絶大な発行部数を誇っていた若者向け雑誌や暴走族専門誌を通じて全国へと拡散。時を同じくして、短ランや変形学生服を着崩す地方のツッパリ少年たちのアパレルスタイルや行動様式と融合し、「派手で規範から外れた若者カルチャー全般=ヤンキー」という固定概念が全国津々浦々に定着しました。
ヤンキーとは?ツッパリ・暴走族との決定的な違いと語源の真実
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