地域密着型の大型バイキングとして長年親しまれてきたすたみな太郎 寝屋川店の営業終了は、地元住民にとってまさに青天の霹靂でした。店舗の扉に貼られた告知や公式アナウンスを目にしたファンからは、SNSを中心に「家族の記念日はいつもここだった」「学生時代の思い出の場所が消えてしまった」といった悲痛な叫びが相次ぎました。
では、なぜ寝屋川店は閉店を余儀なくされたのでしょうか。その最大の要因は、運営元である株式会社江戸一を取り巻く複合的な経営環境の悪化と、それに伴う抜本的なポートフォリオの再編にあります。
第一に挙げられるのが、原材料費と光熱費の記録的な高騰です。すたみな太郎のビジネスモデルは、牛肉や豚肉、鮮魚、米、さらには綿菓子やアイスクリームといった多種多様な食材を圧倒的な低価格で無制限に提供する薄利多売の構造によって成り立っていました。しかし、世界的な飼料価格の上昇、円安の進行、物流コストの上昇が重なり、従来の価格設定では適正な粗利益を確保することが極めて困難になったのです。
第二に、セルフバイキング形式特有の固定費負担です。客席数の多い大型ロードサイド店舗は、維持管理費や空調・厨房機器の電気・ガス代が一般的な飲食店の数倍に達します。エネルギー価格の高騰がダイレクトに営業利益を圧迫したことは想像に難くありません。
グルメサイト「食べログ」に寄せられたユーザーの投稿を振り返ると、2023年時点ですでに「コロナ禍などを経て料金は上がったが、メニューの工夫や自動精算機の導入など店舗側の懸命な努力が伝わってくる」といった声が見られました。現場スタッフの奮闘があったものの、マクロ経済の激変がもたらした逆風は、単一店舗の企業努力で吸収できる限界を超えていたのが実情です。