若者たちが恐れているのは、他者を叩くことではなく、自らが「しゃばい存在」になってしまうことだ。SNSのタイムラインには、24時間絶え間なく他人の輝かしい実績や絶景の旅先、洗練されたライフスタイルが流れてくる。アルゴリズムが最適化された完璧な世界と比較したとき、自らの地味で平凡な日常はどうしても見劣りしてしまう。
「理想の自分」と「地味な現実」のギャップに押し潰されそうになったとき、あらかじめ自らを「しゃばい」と定義づけることで、期待のハードルを自ら下げて傷つくのを防ぐ心理的メカニズムが働く。完璧主義への疲弊が生み出したこの自己防衛のスタイルは、冷笑主義と見せかけた現代人の繊細な生存戦略と言えるかもしれない。