高山一実のグラビアワークを語る上で欠かせないのが、講談社および徳間書店から刊行された2冊のソロ写真集です。地元・千葉県を舞台にしたノスタルジックな1作目から、北欧フィンランドで撮影された大人の色香漂う2作目への変遷は、彼女の表現力の成熟を如実に物語っています。
2016年にリリースされた高山一実の1st写真集『恋かもしれない』では、地元・南房総の海岸線を背景に、飾り気のない笑顔と初々しい水着姿が収められました。当時のインタビューで本人が語っていた「見せる恥ずかしさよりも、ファンの方に楽しんでほしい気持ちが勝った」という飾らない人柄が、紙面全体から温もりとして伝わる構成となっています。
一方、2019年の2nd写真集『独白』では空気が一変します。北欧の静謐な街並みや歴史ある建造物の中で、彼女が見せた憂いを帯びた眼差しと大胆なランジェリーカットは、従来のアイドルグラビアの常識を覆すほどのアーティスティックな気品に満ちていました。小説『トラペジウム』を上梓し、文筆家としての評価を高めていた時期だからこそ表現できた「知性と官能の共存」は、多くのカルチャー層をも唸らせました。