本作の成功を決定づけたのは、妥協なき熱量でぶつかり合った豪華キャスト陣の存在です。ヒロインの美智子を演じた菅井友香は、清楚なお嬢様という世間のパブリックイメージを完全に覆しました。舞台狭しと駆け巡り、声を枯らして長台詞を叫び、激しいビンタを受け止めるその姿は、本物の革命少女そのものでした。
美智子を命がけで愛する機動隊長・山崎一平役を演じたのは、お笑いコンビ・NON STYLEの石田明です。芸人としての卓越した間合いと身体能力を生かしつつ、武骨で不器用な男の狂気と哀愁を見事に体現し、作品のペーソスを一段と深いものに昇華させました。
一方、全共闘作戦参謀・桂木順一郎役を務めた味方良介の存在感も圧巻でした。冷徹なカリスマ性と内面に抱える脆さを、つか芝居特有のシャープな口跡と端正な佇まいで表現。石田明との対立構造、そして菅井友香を巡る愛憎劇は、観る者の胸を締め付けるほどの迫力を生み出しました。