大手クッキングスクールや著名パティシエへの現場取材を行うと、料理初心者からベテラン主婦に至るまで最も頻発しているミスが「計量スプーンへのすくい方」にあることが浮かび上がってきます。レシピに記載された規定の味付けを再現するには、料理計量スプーン正しい使い方の徹底が欠かせません。
都内のフランス菓子専門店でシェフパティシエを務める関係者は、厨房での実情について次のように証言します。
「計量スプーンでの大さじ1とは、当然ながら『すりきり一杯』が世界共通の絶対原則です。しかし、家庭の調理現場を観察すると、山盛りのまま鍋に放り込んでいたり、スプーンの背でギュウギュウに押し固めてすりきったりするケースが非常に多い。上白糖は少し押し込むだけで簡単に密度が上がり、本来9gであるはずの大さじ1が13gから15gまで膨れ上がってしまいます」
科学的に正しい砂糖すりきり一杯計り方の手順は以下の3ステップです。
① 砂糖の塊を軽くほぐしてふんわりすくう
保存容器の中で固まった砂糖は、スプーンでそのまま削り取ると密度が高くなりすぎます。あらかじめ清潔なフォークなどで表面をほぐし、空気を適度に含ませた状態で山盛りにすくい取ります。
② ヘラやナイフの背を垂直に当てる
指先ですりきろうとすると指の腹の丸みで中央が窪んだり、逆にスプーンを傾けてこぼしたりして誤差が生じます。平らなヘラ、竹串、あるいはペティナイフの背などをスプーンの縁に対して直角に当てます。
③ 押し込まずに平行にスライドさせる
上から圧力を一切かけず、縁に沿って水平にスッと滑らせて余分な砂糖を払い落とします。スプーンの縁と砂糖の表面が完全に同一平面(ツライチ)になった状態こそが、正確な大さじ1(上白糖なら9g、グラニュー糖なら12g)です。