一般的に広く流通しているのは真鱈(マダラ)や助宗鱈(スケソウダラ)の白子ですが、秋から冬にかけては鮭(サケ)や河豚(フグ)の白子も出回ります。それぞれ組織構造や風味が異なるため、適した下処理のアプローチが必要です。
鮭白子(秋鮭の白子)は、タラに比べて水分が少なく、しっかりとした弾力とやや強めの血生臭さを持つのが特徴です。表面を覆う薄皮や太い筋が硬いため、下処理の段階でハサミを使い筋を細かく除去します。塩水で洗った後は、生姜やネギの青い部分を加えた熱湯で約2〜3分間しっかりと茹でこぼす下処理が推奨されます。下茹で後は甘辛い煮付けや、ニンニクを効かせたバター醤油焼きに仕立てると、独特のコクが引き立ち美味しく仕上がります。
一方、最高級品とされるふぐ白子は、極めて繊細な薄皮の中にきめ細やかなクリーム状の組織が詰まっています。タラ白子のように細かく切り分けると中身が流出してしまうため、房の形状を崩さないよう丸ごと扱います。薄い塩水で極めて静かに表面を洗い、酒を多めに加えた湯で極弱火(80℃前後)で優しく蒸すように熱を通すのが基本です。網焼きにする際は、弱火でじっくりと表面の皮を乾かすように焼き上げることで、破裂させずに香ばしさととろける舌触りを両立できます。