豊臣秀吉の性格を語る際、真っ先に挙がるのが「人たらし」という賛辞です。敵対していた大名を茶会や手紙、破格の加増で懐柔し、いつの間にか自陣営に組み込む手腕は天下一品でした。正室・ねねに宛てた直筆の手紙に見られるユーモアや、主君・信長の草履を懐で温めたとされる有名な逸話からも、細やかな気配りと愛嬌を備えた人物像が浮かび上がります。
しかし、近年の歴史研究やSNS上の歴史コミュニティでは、「秀吉こそ戦国で最も性格が悪い」「冷徹なマキャベリスト」とする見方が急速に支持を集めています。ネットの反応を観察しても、「信長は基準が明確だから地雷を踏まなければ助かるが、秀吉は笑顔のまま背中を刺してくる恐怖がある」「人たらしというより、他人の感情を自分の駒として弄ぶ天性のサイコパスに近いのではないか」といった声が目立ちます。
秀吉の対人関係を仔細に分析すると、彼が他者に向ける笑顔は「相手が利用価値を持つ間」に限られていたことが分かります。利害が一致している間は全身全霊で相手を包み込み、自尊心をくすぐる言葉を惜しみなく注ぎますが、ひとたび自分の覇道に不要、あるいは脅威となれば、感情を一切交えずに切り捨てる冷徹さを秘めていました。愛嬌と冷酷さの共存こそが、秀吉という男の真骨頂だったのです。