建て替えに向けた2024年3月末の「完全閉館」から一転、なぜ解体工事は延期されたのか。その引き金となったのは、建設業界全体を襲った急速なインフレと建築コストの高騰です。
株式会社TOCが発表した公式リリースおよび決算説明資料によると、当初計画されていた地上約30階建ての新複合ビル建設計画において、資材価格の上昇や人手不足に伴う人件費の急伸、さらには金利上昇リスクが想定を大幅に上回る水準へ達しました。計画を強行した場合、投資回収期間が長期化し、株式会社TOCの業績や財務健全性に重い負担をかけるリスクが浮き彫りとなったのです。
更地にして長期間遊休地化させるよりも、耐震性や安全基準を満たしている既存建物を活用して賃貸・催事収入を確保するほうが、企業価値の維持において極めて合理的であるとの経営判断が下されました。これに伴い、2024年9月より地上フロアの一部および催事スペースを中心に営業再開の経緯を辿ることとなり、2026年現在も多くの卸・小売業者や来館者を迎えています。