「八十八」という言葉の求心力は、伝統文化だけでなく現代の日本のロックシーンにも強いインパクトを与えています。その象徴が、2006年に結成されたスリーピース・プログレッシブ・ロックバンド「八十八ヶ所巡礼」です。
マーガレット廣井(ベース・ボーカル)、Katzuya Shimizu(ギター)、Kenzooo(ドラム)の3名からなる同バンドは、おどろおどろしくも文学的な世界観と、変拍子を多用した超絶技巧の演奏力でカルト的な人気を確立しました。仏教用語や和のエッセンスを取り入れた独自の歌詞と、圧倒的なライブパフォーマンスはインディーズシーンで唯一無二の存在感を放ち続けています。
伝統的な巡礼文化を連想させるバンド名を冠しながら、革新的なサウンドを鳴らし続ける彼らの活動は、古くからある「八十八」という概念が現代のカルチャーとも自在に融合し、新たな熱量を生み出す好例と言えます。