主人公である虎杖悠仁の歩みは、「己の死に場所を探す旅」と言っても過言ではなかった。祖父から託された「大勢に囲まれて死ね」という遺言。それが重圧となり、彼の精神を内側から削り取っていくプロットは極めて秀逸だ。
物語の中盤から加速度を増す精神的追い詰めは、もはやサイコホラーの領域に足を踏み入れている。自身の身体の中に最悪の存在を宿し、自らの存在自体が他者の死を引き寄せるという恐怖。死を受け入れざるを得ない葛藤と決意が交錯する彼の表情は、アニメーション制作チームの驚異的な表現力によって恐ろしいほどの説得力をもって描かれた。