ディズニー特有の生き生きとした表情やポーズには、直感だけに頼らない明確な幾何学的ルールが隠されている。プロのアニメーターが骨身に染み込ませているのは、徹底した「円(サークル)と卵型(オーバル)の組み合わせ」だ。頭部のベースとなる球体に対し、顎のラインや頬のふくらみをいかに有機的につなぎ合わせるかが、全体の完成度を決定づける。
特に視線を集める目鼻立ちの配置には、独自の黄金比が存在する。頭頂部から顎先までを三分割し、中央のラインよりわずかに低い位置へ瞳を配置する。これだけで、一気にディズニーらしい愛嬌と幼さが際立つ。さらに、瞳を描く際は真円ではなく、わずかに上部を削ったオーバル型を意識し、ハイライトを左右で非対称に配置することが秘訣だ。このわずかなズレが、キャラクターに生きているかのような視線の意志を吹き込む。
初心者が陥りがちな最大の罠は、直線の多用である。公式のキャラクターデザインにおいて、完全な直線はほぼ使われない。すべてのパーツは「S字カーブ」あるいは「C字カーブ」と呼ばれる柔らかな曲線で構成されており、これが流れるような視線誘導とリズミカルな動きを生み出す土台となっている。