中之条ビエンナーレの魅力は、何と言っても展示会場の多様さだ。市街地エリアに位置する旧廣盛酒造は、江戸時代から続く伝統的な酒蔵の面影を残す代表的な会場の一つである。薄暗い蔵の中に足を踏み入れると、ひんやりとした空気とともに大規模なインスタレーションが姿を現し、訪れた人々を圧倒する。
足を延ばせば、山深く美しいコバルトブルーの水面で知られる四万温泉エリアや、湯治場の雰囲気を色濃く残す沢渡温泉エリアへと展示空間が広がる。木造旅館の和室にひっそりと配置された立体作品や、廃校となった伊参スタジオの講堂を活かした空間表現。温泉街の情緒と尖ったクリエイティビティが不思議な調和を見せる光景は、ここでしか味わえない体験だ。