かつては経験則として語られることが多かった経穴(ツボ)の刺激だが、近年はその生理学的メカニズムの解明が目覚ましい。世界保健機関(WHO)が正式に認める経穴のなかでも、頭部や耳周囲に位置するポイントは、内耳への血流供給を担う血管や自律神経ネットワークとダイレクトに連動している。
東洋医学の長い歴史が培った知恵は、現代の鍼灸医学によって科学的な裏付けを得た。耳鼻咽喉科学の観点からも、内耳の有毛細胞が酸素や栄養を受け取るための微小循環(マイクロサーキュレーション)の改善が、聴覚機能の維持に決定的な役割を果たすと指摘されている。耳周りの皮膚一枚下には重要な神経と血管が密集しており、適切な圧刺激が滞った血行を一気に解き放つ。