SNSや住宅系掲示板、Q&Aサイトを調査すると、「最新のIHに交換したのに使い勝手が合わなかった」「ガスに戻したい」といったIHやガスコンロに対する後悔や評判が一定数見受けられます。長年慣れ親しんだ調理環境を変えた際、生活者が直面する落とし穴には具体的なパターンが存在します。
住宅リフォームの現場担当者や利用者への聞き取り調査から判明した、後悔の3大要因を整理しました。
後悔理由1:手持ちの鍋が全滅した&フライパンを振れないストレス
IHを導入して最初に直面するのが、調理器具の制約です。アルミ製の雪平鍋、銅鍋、底が丸い中華鍋、土鍋などは標準的なIHでは通電せず加熱できません。IHフライパンや鍋の使える見分け方としては、「底面が平らであること」「磁石が底にピタッと吸着すること」「IH対応マーク(SGマーク等)があること」が基本要件となります。これらを満たさない器具は全て買い替えが必要となり、調理器具一式の新調で数万円の予期せぬ出費を強いられるケースが目立ちます。
また、センサーがトッププレートとの密着を検知する仕組み上、チャーハンや炒め物でフライパンを持ち上げて煽ると通電が停止しエラー音が鳴る仕様に、「料理のリズムが狂って強いストレスを感じる」という調理愛好家の声が後を絶ちません。
後悔理由2:火加減の視覚的直感と「焼き物」の仕上がり格差
ガスコンロの最大の強みは「炎の大きさで直感的に火力がわかる」点です。一方のIHはデジタル表示の数字(弱火1〜強火9など)で管理するため、直火の感覚が身体に染み付いている世代ほど火加減の調節に戸惑う傾向があります。海苔やスルメを炙る、焼きナスを直火で焦がすといった「直火調理」が一切できない点も、料理のバリエーションを狭める要因となります。
後悔理由3:停電時のリスクと契約アンペア増設による基本料金上昇
災害大国である日本において、地震や台風による大規模停電時にIHは完全に機能を停止します。カセットコンロを備蓄していれば急場を凌げますが、ガスコンロ(乾電池点火式)であれば停電時でも問題なくお湯を沸かせる安心感があります。さらに、IHを設置するために住宅の主幹ブレーカーを30Aから50Aや60Aへ増設した結果、電気の基本料金が月額数百円単位で跳ね上がり、「思ったほど節約にならなかった」という計算違いを口にするユーザーも存在します。