大阪府大阪市阿倍野区周辺に位置していた桑名家の本邸は、地域住民の間でも「お城のようだ」と語り継がれてきた。広大な敷地内には重厚な日本庭園や複数の蔵が立ち並び、車庫には当時の日本では目にするだけでも珍しかったキャデラックやシボレーといった輸入高級車が何台も並んでいた。
十代の頃から車やバイクに親しんだ桑名正博は、無免許の時代から広大な実家の敷地内で高級外車を乗り回して運転技術を磨いたという逸話もある。ロックミュージシャンとしてデビューした後も、彼の周りには常に豪華な車と仲間が集まっていた。実家の威光は地元・大阪では絶対的であり、彼がどれほど無茶をやらかそうとも「桑名の若旦那なら仕方ない」と周囲を納得させてしまう独特のオーラが漂っていた。