「苗を土に挿す角度なんて、どれも同じではないのか」と考える初心者の方は少なくありません。しかし、サツマイモの生理生態を紐解くと、土に埋まった「節(ノード)」から発根する不定根のうち、特定の深さや通気条件を満たした節の根だけが養分を蓄えて「塊根(芋)」へと肥大化します。つまり、どの節を、どのような深さで配置するかによって、芋の付き方が劇的に変化するのです。
現在、プロ農家や家庭菜園の現場で使い分けられている代表的な植え方は主に3種類存在します。
船底植えのやり方は、まず畝に対して並行に深さ5〜7cmほどの緩やかなU字型の溝を掘ることから始まります。苗の元側を浅く、中間部分の節を適度な深さに沈め、先端の成長点を地上に出す形で土を被せます。タキイ種苗の栽培指針にも明記されているように、節をしっかりと土中に埋め込まなければ芋にならずにただの「吸収根」化してしまいます。一方で、葉身(葉の平らな部分)まで土に埋めてしまうと光合成ができずに腐敗の原因となるため、葉を必ず地上へ露出させておくことが絶対条件です。