「What's up people?!」の歌詞カードを開いた者が真っ先に抱くのは、尋常ならざる違和感です。暴力的なスラングや性的なニュアンスを想起させる叫びが畳み掛けられる一方で、公式に記載された歌詞の意味を追うと、そこには全く別の情景や難解な言葉遊びが広がっています。
作詞・作曲を手掛けるマキシマムザ亮君の真骨頂は、音の響き(フォネティック)と文字情報の二重構造にあります。一聴すると下劣極まりないフレーズに聴こえるシャウトが、ブックレット上では全く異なる漢字表記やシュールな散文として記載されている仕掛けです。この手法は検閲をすり抜けるための悪ふざけと見なされがちですが、本質は「人間が持つ先入観や認知の歪みに対する強烈な風刺」に他なりません。
英語圏リスナーに向けた歌詞の和訳や解釈の試みにおいても、このギミックは大きな議論を呼びました。「Hey hey 人間 suck!」と叫んでいるように聴こえるパートは、耳に届く攻撃的な音と、歌詞に込められた現代社会の無関心・思考停止への憤りが共鳴しています。耳ざわりの良いポップスが溢れるシーンに対し、「言葉の意味を勝手に規定し、記号として消費する大衆」そのものを挑発する構図が成立しています。