順風満帆に見えた夫婦生活に激震が走ったのは、結婚10年目を迎えた2000年11月のことでした。山田一夫氏が覚醒剤取締法違反(所持・使用)の疑いで警察に現行犯逮捕されたのです。
国民的演歌歌手の夫による薬物事件は、当時のワイドショーや週刊誌で連日トップニュースとして大々的に報じられました。人気歌手としてのイメージ失墜は避けられず、芸能関係者の間では「即座に離婚して事態の収拾を図るべきだ」という声が大半を占めていました。
しかし、川中美幸さんが選んだ道は世間の予想とは全く異なるものでした。事件直後に開かれた緊急記者会見で、彼女は深々と頭を下げて謝罪した上で、次のように毅然と宣言したのです。
「夫が犯した罪は決して許されるものではありません。ですが、私が彼を見捨てたら、彼はどこへ行ってしまうのか。妻として、一生をかけて夫の立ち直りを支えていきます」
この会見で見せた涙と強い覚悟は、多くの人々に衝撃を与えました。世間からの猛烈なバッシングを受け止めながらも、川中さんは夫との離婚を断固として拒否し、二人で罪を償い再起を目指す道を選択しました。