道端やベランダで転がっている蝉と遭遇した際、最初に確認すべき唯一のポイントはセミファイナルにおける足の開き方です。羽の傷み具合や腹部の色合いを観察する必要はありません。見るべきは「6本の脚が外に向かってパーに開いているか、内側へグーのように折りたたまれているか」の1点に尽きます。
昆虫の脚は、生きている間は筋肉の緊張によって外側に突っ張る力を維持できます。しかし、完全に絶命すると筋肉を収縮させる神経伝達が完全に停止し、関節の構造的な初期状態である「内側に縮こまった状態(いわゆる死後硬直・脱力)」へと移行します。つまり、脚が開いたまま仰向けになっている蝉は、まだ神経が生きており、最後の体力を温存している状態に他なりません。これこそが、通りかかった人間の足音や影に反応して爆発的な暴れ方を見せる「セミファイナル」の正体です。
上記データが示す通り、脚が少しでも開いている個体に不用意に近づく行為は、起爆スイッチの入った時限爆弾に自ら触れに行くようなものです。蝉が生きてるか死んでるかの見分け方に迷った際は、「開いていたら即座に後退、閉じていれば安全」という原則を徹底してください。