キャラクターを描いて「何かがおかしい」と感じる最大の原因は、パーツの形ではなく配置スペースの狂いにあります。人間の脳は、乳児のような特徴——すなわち広いおでこ、低い鼻、顔の下半分に密集したパーツ——に対して本能的に「可愛い」「守りたい」と感じる性質(いわゆるベビースキーマ)を持っています。この原理を紙の上に落とし込んだものが、かわいい顔の黄金比バランスです。
具体的には、顔の輪郭の上下の中心線よりもさらに下側(下から3分の1あたり)に両目のラインを設定します。大人のリアルな顔を描くときは顔の中心に目を配置しますが、キャラクターデフォルメでは極端に下に下げるのが鉄則です。さらに、目と目の間隔は「目1個分から1.5個分」ほど離して配置します。この「下寄り・離れ目」の配置を守るだけで、どんなにシンプルな黒丸の目でも一気に愛らしさが宿ります。
口の配置も重要です。両目の中心からわずかに下、ほぼ目の高さの延長線上近くに小さな「点」や「へ」の字を置きます。目と口の距離を極力近づけることで、間延びした印象を完全に防ぐことができます。この比率さえ覚えておけば、メモ帳の隅に3分で描いた落書きであっても、見る人を惹きつけるプロ級の愛嬌が自然と生まれます。