彼の魅力を語る際に外せないのが、ファンから親しまれたその独特なルックスとキャラクターだ。色白で丸みのある愛らしい体型から、いつしかファンや親しい関係者の間で「パン職人」や「癒やし系力士」との愛称が定着。土俵に上がるだけで会場が温かい拍手に包まれる、稀有な力士だった。
しかし、その柔和な表情の裏には、極めて緻密な相撲技術が隠されていた。得意の左四つ・寄りは、一度組み止めれば相手の重心を的確に崩す破壊力を秘めていた。身体の柔らかさを活かした受けの強さと、相手の力を逃がす卓越した足さばき。単なるパワー勝負ではない「組み手」の駆け引きにおいて、角界屈指の技量を持っていたことは専門家の間でも異論がない。