記念すべき第1話「死者からの伝言」で、歌姫として一世を風靡した中森明菜が演じたのは、愛ゆえに一線を越えてしまう少女漫画家・小石川ちなみだ。雨の夜、地下の金庫室で起きた密室殺人事件。彼女が見せた儚げで切ない表情と、犯行の裏に隠された複雑な情念の演技は、視聴者の心を揺さぶった。
なぜ彼女が記念すべき初回犯人役に選ばれたのか。その真相は、制作陣が求めた「圧倒的な切なさと孤高の存在感」にあった。単なる悪役ではない。犯行に至る感情の機微を演じ切れる人物として、彼女以上に適任はいなかったのだ。被害者が遺した暗号「まんじゅう」に秘められた意図と、犯人役の哀愁が見事なコントラストを生み出し、ドラマ史上屈指の名場面として刻まれた。