日本のオフィスで長年繰り返されてきた「暑がり」と「寒がり」の不毛な争い。28度設定の推奨がもたらした議論に、決定的な解をもたらしたのが個人空調の普及だ。全体空調は控えめに設定し、足りない冷感は個人のデバイスで補うというスタイルが定着した。
大手IT企業や金融機関では、社員への一括配布や購入補助金を出す動きが急増している。熱中症予防にとどまらず、午後の集中力低下を防ぐための生産性投資としての側面が強まった。室温を一律で3度下げる電気代に比べ、各人が数ワットの個人デバイスを動かす方が圧倒的に低コストかつ省エネという試算も後押ししている。